あなたは「常識がない」と言われたことがありますか？
「最近の若者は常識を知らない」「あの人は常識をわきまえている」
こんな言葉を聞いたことはありませんか？
一言で「常識」と言っても、それが指すものは一つではありません。あるときは「一般的な知識」、またあるときは「思慮分別や道徳」を意味します。
この記事では、常識の二面性について詳しく解説し、「常識がない」と言われたときにどう受け止めればいいのかを考えていきます。
1. 【常識は変わる】知識としての常識の揺らぎ
常識は時代や地域によって変わります。
例えば、江戸時代の川柳にこんなものがあります。
「釣れますかなどと文王そばに寄り」
この「文王」とは、中国の周の国を建てた武王の父、西伯昌（姫昌）のこと。彼が釣りをしていた太公望（呂尚）に話しかけた逸話に由来しています。
江戸時代の人々にとって、この逸話は一般常識でした。しかし、現代の私たちがすぐに理解できるかと言えば、難しいでしょう。
また、食文化も時代や地域によって「常識」が異なります。
日本ではタコを食べるのが普通ですが、ヨーロッパでは国によって認識が違います。ラテン系の国々では好まれますが、アングロサクソン系やゲルマン系の文化では「デビルフィッシュ」として敬遠されることもあります。
このように、知識としての常識は変化するものであり、普遍的なものではないのです。
2. 【変わらない常識】道徳としての普遍性
一方で、変わらない「道徳としての常識」も存在します。
例えば、「己の欲せざるところ、他に施すことなかれ」（論語）という孔子の教えは、キリスト教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、イスラム教など多くの宗教に共通する「黄金律（ゴールデンルール）」と同じ考え方です。
- 「だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」（マタイによる福音書）
- 「あなたにとって好ましくないことをあなたの隣人に対してするな。」（ユダヤ教）
- 「人が他人からしてもらいたくないと思ういかなることも他人にしてはいけない。」（マハーバーラタ／ヒンドゥー教）
- 「自分が人から危害を受けたくなければ、誰にも危害を加えないことである。」（ムハンマドの遺言／イスラム教）
宗教や文化を超えて「他者を尊重し、自分がされたくないことはしない」という考え方が共通しているのです。
これは、人類が社会生活を営む上で生まれた普遍的な道徳の常識と言えるでしょう。
3. 「常識がない」と言われたときの対処法
「常識がない」と言われたとき、必要以上に落ち込むことはありません。
なぜなら、常識には「知識の常識」と「道徳の常識」があり、知識としての常識は時代や環境によって変わるものだからです。
しかし、もし道徳の常識について指摘された場合は、真摯に受け止め、自分の行動を振り返ることも大切です。
✅ まずは「誰が言ったのか？」を考える
本当にあなたのことを思ってくれる人は、「常識がない」と非難するのではなく、「こうした方がいいよ」と具体的なアドバイスをくれるはずです。
✅ 知識の常識 → 時代や文化で変わる。知らないことがあっても当然！
✅ 道徳の常識 → 普遍的なルール。もし指摘されたら一度振り返ってみる。
これを意識するだけで、無駄に傷つくことなく、冷静に対応できるようになります。
まとめ
「常識」とは、単なる「一般知識」ではなく、次の2つの側面を持っています。
✅ 知識としての常識：時代や地域、文化によって変わるもの。
✅ 道徳としての常識：人類が普遍的に共有する倫理観や価値観。
誰かに「常識がない」と言われたときは、その言葉の背景を冷静に考えましょう。
常識にとらわれすぎず、しかし道徳の常識は大切にする。このバランスを取ることで、より良い生き方につながるはずです。
💡 あなたは「常識がない」と言われたことがありますか？そのときどう思いましたか？コメント欄でぜひ教えてください！
