会話とは「言葉のキャッチボール」とよく言われます。上手に投げ、上手に受け取ることで成り立つものです。ボキャブラリーの豊かさや時事ネタの知識も役立ちますが、それ以上に大切なのが「相手の気持ちを思いやる心」です。

おとぎ話の『北風と太陽』のように、冷たい風を吹かせて力づくで相手を変えようとしてもうまくいきません。けれど、太陽のように温かく接すれば、自然と相手の心が開かれます。会話も同じです。

ここでは、相手の気持ちを考えながら会話をすると、なぜうまくいくのか、その7つの理由を解説します。

1.人は十人十色だからこそ、寛ぎを求める

会話は自分と同じ考え方の人だけとするものではありません。育った環境や価値観が違えば、物事の捉え方も人それぞれです。
相手を「自分と違う」と切り捨てるのではなく、「いろいろな人がいる」と理解することが大切です。自分を一人の人間として認めてもらえると、人は安心し、心を開いて話をしてくれるのです。

2.まずは耳を傾ける姿勢を持つ

会話をスムーズに進めたいなら、まず「聞くこと」から始めましょう。バーテンダーが無口なのに会話上手とされるのは、相手の話に耳を傾け、必要なタイミングで反応しているからです。
自分が主導権を握ろうとするのではなく、相手のペースに合わせて寄り添う。それだけで会話は格段に心地よくなります。

3.相手のオーラや感情を感じ取る

人は言葉にしなくても、雰囲気や表情から気持ちが伝わるものです。嬉しそうなら「何かいいことあった?」と声をかけるだけで、相手は「自分の気持ちに気づいてもらえた」と嬉しくなります。
逆に元気がない時は「大丈夫?」と一言添えるだけでも、心の距離が縮まります。相手の気持ちを察することは、信頼関係を築く大切な一歩です。

4.何を伝えたいのかを探る

相手の話がまとまっていなくても、要点を探しながら聞くと理解が深まります。例えば「○○のこと?」と問いかけると、相手は自分の考えを整理しやすくなります。
小さな子どもとの会話にも似ています。焦らず待つことで、相手は安心して本当に伝えたいことを話してくれるのです。

5.「話す相手」がいることを忘れない

会話は一人では成立しません。つい相手の話を遮ったり、自分の話にすり替えてしまうと、相手は「大切にされていない」と感じてしまいます。
逆の立場になって考えてみましょう。話を無視されたら寂しさが残り、心を閉ざしてしまいます。相手を尊重し、耳を傾ける姿勢を持つことが、良い会話の基本です。

6.時間を共有している意識を持つ

会話は単なる情報交換ではなく、その場の「時間を共有する」行為です。せっかく一緒に過ごすなら、心地よく和やかな時間にしたいですよね。
そのためには、自分だけでなく場にいる全員を大切にし、気持ちよく過ごせる雰囲気をつくることが大切です。会話は雰囲気づくりから始まります。

7.「聞いて・話すこと」を楽しむ

会話をうまくしようとすると、つい「何を話すか」に集中してしまいます。けれど、本来会話は楽しむものです。聞いて楽しみ、話して楽しむ。その先に心の寛ぎがあります。
会話力を磨くには本や映画、音楽など幅広い知識を取り入れることも有効です。しかし、知識だけでは足りません。相手と一緒にその場を楽しもうとする気持ちが、会話を魅力的にするのです。

まとめ:思いやりが会話を変える

相手の気持ちを考えながら会話をすると、相手は安心し、心を開きます。そして会話は自然と楽しく、深いものになります。

今日ご紹介した7つの理由を意識することで、友人や家族との会話はもちろん、職場やビジネスの場でも円滑なコミュニケーションが可能になります。

会話は「自分の気持ち」と「相手の気持ち」の両方を尊重してこそ成り立つもの。思いやりの心を持って、より良い会話を楽しんでください。